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荒川 和夫; 瀬口 忠男; 吉田 健三
Radiation Physics and Chemistry, 27(2), p.157 - 163, 1986/00
各種の照射施設等の放射線場に布設されている電線・ケーブルに塩素系絶縁材料を使用している場合は、照射により塩化水素(HCl)ガスを発生し、周辺の金属・電気機器類の接点等の腐食という問題を生じている。本報告ではポリ塩化ビニル(PVC)、クロロプレンゴム(CR)、およびクロロスルホン化ポリエチレン(CSM)の三種類の含塩素高分子の純粋および配合(基本・実用)試料について、真空中と酸素中においてCo-線を照射し、発生ガスと酸素の消費量をガスクロを用いて定量分析した。PVCの純粋試料は真空中・酸素中のいずれにおいてもHClの発生量に線量率依存性(0.12次)を示し、酸素中照射の方が真空中より約2倍HClの発生量が多い。CSMは配合によりHClの発生が抑えられ、GCでは検出されなくなる。一方、PVCとCRは配合によりHClの発生量が低下するが、10KGy当り~10mol/g検出される。